九州大学応用生理人類学研究センター

部門紹介Research Groups

環境適応部門

 現代社会で暮らす人々は、多くの時間を快適と思える人工環境の中で過ごしています。一方、これらの人工環境が私たちの健康に負の影響をもたらしている可能性も指摘されています。
 例えば、近年の熱中症の増加には快適な空調に依存しすぎた結果として、ヒトが本来有する生理的な適応能力を失ったことも背景にあります。また、生活の夜型化や睡眠の乱れには、夜の明るい人工照明が関係していることが指摘されています。
 本センターは、世界有数の環境適応能研究施設を有しており、温熱、光、気圧、湿度、気流などの様々な物理環境を人工的に造成することができます。現在まで、これらの設備を使った研究成果が多くの学術論文として公表されています。今後、本部門では、少子高齢化、地球気候変動など将来予想される問題を考慮しつつ、様々な環境における集団(性、年齢、遺伝子型など)ごとの生物学的資質の特徴を明らかにすることを目指した研究を進めていく予定です。これらの科学的成果を基に、ISOやJISなどの規格への提案や、人間にとって真に快適で持続可能な生活環境デザインの構築に寄与していきたいと考えています。

環境適応部門 環境適応部門

アクティブライフ部門

 日本のみならず多くの先進国において高齢化が進み、福祉や介護の種々の問題はさらに深刻になっています。その対策として健康寿命の延伸や科学技術の介護への導入(介護ロボットなど)が政策の核となっています。一方で寿命が延長し、長い高齢期(生物で言えば後生殖期)をどのように生きるかが人類の新しい課題となっています。
 このような背景から本部門では、高齢者、障害を有する人々、さらには子どもなどを対象とし、生理人類学の観点から形態的、機能的特徴を解明し、多くの研究実績を挙げてきました。今後はそれらの研究をより発展させ、人々の特性に応じた生活(衣食住)、労働、スポーツ、教育、介護などに関わる製品や、環境などのデザインの提案を進めていきます。
 本部門では、単に高齢者やその介護の支援を考えるのではなく、それぞれの年齢層や障害の心身機能の特性を明らかにして科学的に把握した上で、人々をアクティブな生活へと導くための方策を提案し、活気ある社会の構築に寄与していきたいと考えています。

アクティブライフ部門 アクティブライフ部門

ヒューマニティー部門

 現代の情報化社会による過度なインターネット依存、受験戦争や成果主義による競争の激化と人間関係の悪化、核家族化や地域社会の消失による対人関係の希薄化など様々な問題が指摘されています。現代人のメンタルヘルスの低下や、コミュニケーション能力の低下、現実逃避など人間性の喪失は、これらの問題に起因していると言われています。これらの問題を解決するには、人間らしさの根幹であるヒトの感性に着目する必要があります。
 「感性」とは “うまく生きる”ための進化適応上の“こころのはたらき”として捉えることができます。このような背景から、芸術工学研究院では、長年、ヒトの感性について研究し、感性の科学的評価手法を構築してきました。
 本部門では、今後これらの研究をより発展させ、ヒトであるが故に有する美意識、道徳観、共感、互恵的利他主義、満足感、幸福感、そして想像力などの人間らしい高次の精神機能などを科学的に追求することによって、人間社会の感性の力を向上させ、人間らしく生きることのできる社会、豊かで感動に溢れた社会の構築に寄与していきたいと考えています。

ヒューマニティー部門 ヒューマニティー部門

レジリエンスデザイン部門

 レジリエンス(resilience)とは「精神的回復力」、「抵抗力」、「復元力」、「耐久力」を表す心理学的、物理学的用語です。ストレスも元々は物理学用語で「外力による歪み」を表しますが、このストレスに対して「歪みを跳ね返す力」がレジリエンスで、極度に不利な状況でも、正常な平衡状態を維持できる能力を言います。  近年、地震・津波・台風・土石流・豪雨・豪雪・火山噴火等の災害が多発し、その度に被災者が発生しています。この第一次被害後に体育館や公民館等の公共施設で集団生活を送り、その2,3か月後に仮設住宅に入居されることになります。この間に被災者は心理的・生理的ストレスを受ける場合が多々あります。生理人類学はこのストレスを軽減するために貢献すると考えています。

レジリエンスデザイン部門 レジリエンスデザイン部門

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